自分の役割を意識して演奏する

オーケストラの練習会で思う事があります。

音楽の基本要素は、リズム・メロディー・ハーモニーと言われています。

オーケストラスコアには30段以上のさまざまな楽器・パートが並んでおり、一見するとごちゃごちゃに見えるわけですが、整理していくとほとんどのパートはその三要素のいずれかのグループに分類することができます。

ピアノやギターなどの複音楽器を演奏する方なら、音楽ジャンル問わず、少なくともここはメロディーなのか伴奏の役割なのか、まったく意識せずに弾くことはないと思います。

例えばピアノ演奏で、主旋律も副旋律も伴奏部分もすべて同じ強さや表情では弾きませんよね。
主旋律は歌って浮き立つように、副旋律は主旋律を活かすべく寄り添ったり対話したりするように、伴奏は(さまざまなパターンがありますが)まずは主旋律を引き立てるバランスとなるように、意識して(もしくは無意識のうちに)弾いていると思います。

オーケストラ(合奏・アンサンブル)も一緒で、いま自分が演奏している部分は、音楽全体の中でどんな役割をしているのか、常に意識して表現していくことが大事であると思います。

音の強弱で言えば、f(フォルテ)は強弱記号として「強く」と意味付けされていますが、指定だからと、単純に一律強く弾いたり吹いたりすれば良いということではありません。

あくまでその場面での全体の中での役割、他パートとの関連、バランスなどに於いて、相対的に解釈すべきことだと思います。

そのような意味で、演奏中にパート内の他メンバーの音、セクション内やオーケストラ全体の音を客観的に聴き、譜面の指定をもとに、自分の役割に応じた音量や表情で演奏していく、という意識が大切になります。

もちろん、自分のパートの譜読みや事前練習をしっかりおこない、個人練習もおこなっていないと、周りの音を聴く余裕もないと思います。

全体練習はアンサンブルとしての全体バランスや状況を確認していく場であって、個人練習をする場ではありません。みんなで気持ち良い合奏をするために、事前に最低限の個人練習はして参加するよう心掛けたいものですね。